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お子様の矯正治療

第1段階の治療 (10歳くらいまで) について

第1段階の治療は,不正咬合が悪化するのを予防するのが主な目的です.
上下顎のバランスを整え,これから生えてくる永久歯がなるべくきれいに並ぶように治療を行います.
第1段階のみで全ての治療が終了できる場合もありますが,将来第2段階(永久歯列期)の治療が必要になった場合でも,期間の短縮や抜歯本数を減らす効果が期待できます.

不正咬合の種類により異なりますが,以下のような取り外しのできる装置や,歯につける装置を使用します.
取り外しの出来る装置は,目立ちにくいうえに歯磨きがしやすいという利点もあります.

拡大装置 (顎が狭いとき)

この装置による治療効果を例にして、第1段階治療の大切さをお話しようと思います。

上にある装置装着前後のレントゲン写真をご覧になると変化の大きさに驚かれると思いますが、これは手術をしているわけではありません。
10歳くらいまでは骨と骨の連結部がしっかりできていないため、このような治療が可能になるのです。
開いたところがどうなるのか不安になると思いますが、ご心配ありません。
開いたスペースを3ヶ月程度維持することによって、新しい骨が間に生まれてくるのです。
このような治療を行うとその影響は中顔面部におよぶため、鼻炎なども治ることがあるくらいです。
このような骨と骨の連結部は頭の各部にたくさんあります。

第1段階の治療に用いる装置は、不正咬合の種類によって異なる各部位に適切な力を用いることによって治療を進めていきます。
骨とその連結部は、年齢が上がるにつれて硬くなり力をかけてもほとんど反応しなくなってしまいます。

ですから、骨に問題のある不正咬合(うけ口や顎の歪み)の場合は、遅くとも10歳までのあいだに第1段階の治療を行うことを強くお勧めします。

ヘッドギア装置

上顎前突(上が出ている)に使用する装置です。
お口の中に入れる装置と、頭からかぶる(あるいは首の後ろに回す)装置がセットになっています。

上の拡大装置は患者さん自身が取り外しできませんので問題ありませんが、これらの装置は取り外しができるため装置の使用時間が重要になってきます。一般的には一日10時間前後を目安として使用します。
装置をはずしている時には、せっかく移動した骨が戻ってきてしまいますので使用時間が短いとほとんど効果が現れません。
動きかたの違いや不正咬合の種類によって、同じ装置でも患者さん毎に効果の出る装着時間が異なってきます。自分の感覚や友達の話を当てにせず担当の先生の指示を守ってください。

バイオネーター装置

機能的矯正装置の一種で,主に夜間使用する装置です.

受け口や出っ歯にも使用でき,顎の拡大も可能です.

上顎牽引装置・チンキャップ装置

下顎前突(うけ口)に使用する装置です。
頭からかぶる装置や、顔の前につける装置などいくつかの種類があります。

ヘッドギア装置と同じように取り外しができますので、先生に指示された使用時間を守りましょう。

お子様の受け口治療に関するQ&A

反対咬合って、自然に治るでしょうか

永久歯が生える時、自然に治ることがあります。しかし、反対になっている前歯が5〜6本あり,逆の噛み合わせが深い.近親に反対咬合の人がいる.これらの場合、自然に治る可能性は、極めて少ないと考えて良いでしょう。

永久歯が生えるまで、様子見を勧められました

「…大丈夫ですか?」というご質問を、よく聞きます。かなり少数ですが,自然に治る場合もあります。ご心配なら,他の歯科医にセカンドオピニオン(意見)を求める事をお勧めします。私たち矯正専門医は、ほとんどの方に早期初期治療が必要と考えています。

反対咬合は治した方が良いの?

反対咬合を放置することで,身長や知能が低くなるということはないと思いますが,サ行・タ行の発音や,食べ方に問題が現れることが多くあります。また,反対咬合特有の顔貌に、劣等感を感じることがありますので,治療により心の負担を軽くすることも治療目標の一つです.

早く治した方が良いの?

噛み合わせを逆のままにしておくと、下顎骨が過成長し易い状態が続きます。下顎骨が取り返しのつかない程大きくなってしまう前に、逆の噛み合せは治しておくべきです。早ければ早い程、ご本人の負担は軽くて済むと思います。年齢が高くなりますと,矯正治療のみでの治療が困難になり,「下顎骨を切断して縮める」という手術法も、選択肢に上がってきてしまいます。

どうして反対咬合になるの?

反対咬合には,遺伝的な因子と機能的な因子が絡みあっています.機能的な因子として,きれいな歯並びの人の舌は、嚥下(のみ込む)する時、上顎を押さえつける様に、ぴったりと収まります。しかし、反対咬合の人は、上顎まで上がりません。嚥下の都度、舌は下顎を前方に押します。従って、上顎は小さく、下顎は大きくなってしまうと考えられています。すなわち、口腔周囲の筋肉が正しく機能しないと不正咬合になるという事です。

反対咬合は遺伝しますか?

反対咬合に限らず、不正咬合は遺伝的な因子も含んでいますので,反対咬合の多い家系はあります。しかし、早めに対処することで、かなり改善できると考えています。いずれにせよ、遺伝の有る無しに関わらず、早めに受診されることをお勧めします。

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